ボクの萌えを語りたい

にわかに乙女ゲームに目覚めたボクがただただ萌えを語りたいがためのブログ

ネタばれあり『魔女と亡霊のヴォロンテ』他√のエマニュエル(エミー)を振り返る3希求編

 

おはこんにちこんばんは!ボクです

 

ボク(この記事を書いている人)は全ルート、全エンドを攻略済みです。すべてを終えて各ルート、各エンドのエマニュエルを拾いながら再び深く考察しよう…いえ、ただまた萌えようという魂胆です。記事タイトルのとおり光明編以外(救世編、追憶編、希求編)のエマニュエルを追いかけていきたいと思います。お付き合いくださる方はどうぞどうぞ〜

前記事からひと月半も経ってしまい、もし続きが気になっていたという方がいらっしゃったら、申し訳ないです…!

 

エマニュエル関連記事

 

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ネタばれあり〼注意

 

  • 共通編のネタばれあり
  • 光明編(エマニュエル√)のネタばれあり
  • 救世編(イスマイール√)のネタばれあり
  • 追憶編(メロディー√)のネタばれあり
  • 希求編(オリヴィエ√)のネタばれあり

 

エマニュエル・ド・ボーモン
(CV梅原裕一郎)

√テーマ『忠誠の先に芽吹く恋』

 

振り返り順
救世編▷追憶編▷今ココ希求編

 

それでは、振り返っていくゥ!

ボクは基本的に『エマニュエル』と呼んでいます。必要に応じて『エミー』『エマニュエル一世陛下(ときどき冷血王)』と変えています。

どちゃくそ長くなりましたが、どちゃくそ萌えました。

 

希求編(オリヴィエ√)

 

希求編ではエマニュエルとオリヴィエの関係が浮き彫りとなり、少なくともボクの癖をこれでもかと突き刺してくる…!(不要な告白)冷血王とその魔力と思想を最も危険視する元グラン・ソルシエ、エマニュエル一世陛下とその実力と経験を最も頼りとする聖騎士団団長、エミーとヴィヴィといった具合に。

第一章ではさっそく例の毒杯の一件があるが、その背景、つまりフィエナの預かり知る、知らぬところで事態がどう動いていたのか、ざっくり整理しておこうと思う。

救世編、追憶編を振り返ってきたボクらは知っている。新国王エマニュエル一世陛下は月の魔女フィエナを監視している。そして冷血王と呼ばれるほどに苛烈な手腕を持つ彼がただその手をこまねく人物、最大の悩みの種が元グラン・ソルシエ、オリヴィエ・パケ…!希求編でもあいかわらずルミニスのブローチをシアラに継承しておらず、グランド・クローシュを暴走させる危険性を孕んでいる。

以上を踏まえた上で、エマニュエルとオリヴィエの確執の詳細を知らず、マートリ村について知りたいフィエナがオリヴィエに接近していく。聖騎士団宿舎までオリヴィエを訪ねるフィエナ。月の魔女という二人の共犯関係。そしてフィエナはオリヴィエの頼みをきいて魔法使いとジェンの混合班のため騎士団で過ごすようになる。そうこうするうち、騎士団内でセントリアの侵攻が現実に起こり得る気配を感じ、フィエナは聖騎士団団長であるオリヴィエに確認するため再び聖騎士団宿舎を訪れる。その帰り、なぜかバレバレの尾行をあえてしたと思われるオリヴィエがフィエナを城まで送ると言う。門前へ着いた時、今からマートリ村へ行くというオリヴィエを見送り、二人は別れた。

と、ここまでが毒杯の裏側にある事情である。エマニュエルにとって自陣営か死かという選択肢しかないフィエナと最大の懸念であるオリヴィエがどういうものであれその関係性を深めていく様子は到底看過できるものではなかっただろう。月の魔女の存在価値はそれほど大きいものなのである。

もはや定番となりつつあるシチュエーションだが(好き)、自室へ戻ろうとするフィエナの前へ仁王立ちでこちらを睨むエマニュエルが現れる。執務室へ場所を移し、シアラも同席する中、詰問が始まった。フィエナに神託を授けたのはいったい誰なのか。フィエナはルミニスと答え、自身を月の魔女であると主張する。では王の崩御、ファントムの出現と立て続けに見舞われた災厄の責任を取れと毒杯が運ばれてくる。『一気に飲み干す』を選択すると名誉の自決(ゲームオーバー)、『深呼吸して飲み干す』を選択するとオリヴィエの登場ですんでのところで命拾いする運びとなる。あいかわらず…!容赦がない…!(好き)

エマニュエルがフィエナへ無慈悲な選択を迫ることはもはやお馴染みだが、希求編でのさらなる恐ろしさは毒杯の存在にあるだろう。同席するシアラはあくまで脅し、本当に命を奪うことを考えてはいない。だが毒杯は「用意されて」いた。さて、ボクらの知る冷血王とは使用意図のないものをわざわざ準備しておく人物だろうか…?それもコストも手間もそれなりにかかることが予想される毒杯を、である。ただの脅しであるなら水を毒と偽ることもできるはずなのに、である。肌が粟立つ…!思い返せば、救世編ではオリヴィエの同席があったためその場で粛清される可能性は限りなく低かった。追憶編ではフィエナが明確な敵意を示したためにある意味で不可抗力的に粛清が行われた。ところが希求編ではフィエナがエマニュエルの配下とならない場合速やかに排除される。月の魔女の殉教という切り札を最大限利用されて。フィエナ自身が予測を立てたとおり、オリヴィエという超危険人物の手に渡るリスクを鑑みれば、月の魔女を失うというデメリットもやむを得ないのだろう。粛清一つ取ってもこの微妙なニュアンスの違い…!楽しい…!

余談だが、実を言えば、名誉の自決後の世界線をもう少しだけ見てみたい気持ちがある。あくまでプレイヤーだから知る由のあることだが、エマニュエルは結果的にオリヴィエが自発的にルミニスのブローチをシアラに継承する唯一の芽を摘んでしまったことになる。決定的に思われた二人の確執が決定的になったわけである。エマニュエルの腕の中で事切れたフィエナを見たオリヴィエは果たして激昂したのか、絶望したのか。う〜〜〜ん、怖いもの見たさ…!(不謹慎なときめき)

さて本筋に戻ると、深呼吸のおかげでオリヴィエの登場が間に合い、フィエナは命拾いする。そして今度はエマニュエルとオリヴィエ間で問答が始まる。オリヴィエは早々にフィエナを月の魔女に仕立て上げたことを認め、その目的とそこには先王の承認があったことを打ち明ける。反逆罪で死刑の可能性を仄めかしたエマニュエルだったが、シアラが何やら耳打ちし、今この場でルミニスのブローチをシアラに継承すればオリヴィエもフィエナも罪に問わないと告げる。オリヴィエはあっさり承諾し、シアラは正式にグラン・ソルシエとなった。今後月の魔女に神託を授けるのはエマニュエルから指示を受けたシアラであり、フィエナはエマニュエル陣営につくこととなる。めでたしめでたし…!(違う)物語が終わるはずもないが、エマニュエルを国王としても唯一無二の友としても常に思い悩ませてきた難攻不落の問題が解決されたことで第一章にもかかわらず大団円と言っても過言ではない達成感である。おめでとう、ハピエン…!(違う)このことはボクらプレイヤーにとってはつまり、以降、これまでとは違ったエマニュエルが見られるということに他ならない。

第二章ではフィエナが神託を告げる。もちろんエマニュエルが授けた神託である。軍靴の音が聞こえ、皆が不穏な空気を感じる中、オリヴィエはフィエナに聖騎士団宿舎に住むことをすすめていた。理由は「エマニュエルの側に置いておくのが不安だから」。一周目ではフィエナの命を利用することを厭わないエマニュエルを警戒しているとだけ受け取ったが、『その痛みに抱擁を』プレイ後の今となってはオリヴィエがフィエナの生命、次に貞操を心配していることを知っているので、ボクの妄想で補うと、第一にはフィエナが死なないか、第二にはフィエナが手篭めにされないかもしくはエマニュエルがフィエナを好きにならないか気を揉んでいるってこと…?(トゥンク…!)引き続き妄想で補うと、気心知れた幼馴染だからこそ可能性を現実的に想像できてしまってなおさら心穏やかではいられないのでは…?そんな二人の関係性を想像すると正直萌え散らかした。

第三章ではとうとう開戦する。モルロワ王国対オンブレール王国の構図だが、今回内政上の理由から仕掛けた側はモルロワ王国でありオンブレール王国にはまったくと言っていいほど非がない。そのような事情もすべて狼を駆使するエマニュエルは把握しており、追憶編での恐ろしさが希求編では頼もしさに変わる。エマニュエル一世陛下の本領発揮である。グラン・ソルシエ、聖騎士団、騎士団の出陣はもちろん、月の魔女を前線に配置し、王としての差配を振るう。エマニュエル自身も戦場に姿を見せ、騎士たちを鼓舞するとともに情報収集に努める。詳細な数の記述がないので想像するしかないが、少なくとも敵軍の最高司令官であるサンピエール大司教を監視する狼、戦況を把握するため戦場全体を監視する狼(たち)、オンブレール王国全体を監視する狼(たち)がいたはずである。狼人間はもっと評価されるべき…!(心の叫び…!)蓋を開けてみればオンブレール王国の圧勝となったが、フィエナが捕虜となり、モルロワ王国へ連行されてしまう。

第四章ではモルロワ王国サイド、オンブレール王国サイドで物語が進行する。

モルロワ王国ではフィエナが過酷な取り調べを受けていた。実際には取り調べとは名ばかりの結論ありきの拷問である。だがサンピエール大司教がフィエナへ向ける憎悪だけは非常に個人的なものに見えた。混乱の中、かつてのトマス神父がサンピエール枢機卿になっていること、メロディーが彼を知っていることが明らかとなる。

一方、オンブレール王国ではオリヴィエがフィエナの奪還を訴えるが、月の魔女の不在を公表できないこと、人員不足であること、おそらくすでに処刑されていることを理由にエマニュエル、シアラに諦めるよう諭されていた。エマニュエルもシアラもフィエナの死(仮)を悼みながら、考えるのは、セントリア勢力の第二回遠征をいかに退けるか。王として、グラン・ソルシエとして、ただひたすらに正しい思考回路である。この時オリヴィエはエマニュエルがフィエナを手土産にモルロワ軍の撤退を促したのではないかと疑い、エマニュエルは即座に否定しているが、サンピエール大司教が全軍撤退を通達したことを狼で見ており、敵軍の最高司令官の監視を続行したのであれば、フィエナの捕縛、メロディーの裏切りを見ていたはずである。想像でしかないが、もし見ていたのであれば、見ていて奪還のためのアクションを起こせなかったのであれば、それを契機に再び交戦が始まることを危惧する王の判断があったのかも…?(月の魔女を差し出しはしなかったけど奪い返しもしなかった、できなかったってのは考えすぎ…?)(だってエマニュエルは真実つらそうにオリヴィエでさえ暗殺するんだもの…!)

モルロワ王国では幽閉されたフィエナが必死に考えを巡らせていた。サンピエール大司教とサンピエール枢機卿の同姓は単なる偶然なのか。マートリ村がモルロワ王国騎士の襲撃を受けたことについて当時のトマス神父は何らかの鍵を握っていると思われること。シフリークの魔法が使えないこと。死霊術は使えること。メロディーは無事なのか。

略奪エンドはここから分岐。

略奪ではご存知のとおりサンピエール大司教がフィエナを略奪する。モルロワ王国サイドで物語が進行するため、エマニュエルに限らずオンブレール王国の人々はほぼ登場しない。国を出てフィエナを探し回るオリヴィエだけが終盤に登場し、幕引きとなる。オリヴィエという希代の魔法使いを失うことが第二回遠征に備えるにしてもしなくてもオンブレール王国にとって相当な痛手になることは間違いないが、エマニュエルの狼がオリヴィエを捕捉しているかについては、正直どちらとも言えない。オリヴィエのフィエナに対する執着をエマニュエルが見誤っていなければ、出奔の可能性を見越し、監視していた可能性がある。もしくはオリヴィエの失踪を知った時点で捜索を開始したかもしれないが、発見できたかどうか。発見できたとして、オリヴィエが素直に踵を返すはずもないことをエマニュエルなら知っているだろう。人事、内政、ファントム対策、要を失ったと言ってもいい状況での国防、エマニュエル一世陛下の心労は増すばかり…!シアラという頼もしい右腕の存在、戦下にて怪我の巧妙でイシュと幾ばくかの親交を取り戻せたとしたら、まだ救いが…?

分岐しない場合、モルロワ王国ではフィエナの火刑が決まる。そして執行直前、処刑場でフィエナはサンピエール大司教がフロランであること、オンブレール王国での一年半が外の世界では十八年だったことを悟る。真実を訴えかけるフィエナと動揺を隠せないフロラン。業を煮やした神官たちが放った火が勢いを増し、フィエナの身を包むかに思われたところでメロディーに救出される。メロディーは足手まといだからとフィエナに先に行くよう強く促し、後ほど落ち合うことを信じてフィエナは立ち去る。メロディーがセントリア側の内通者だったと察したフィエナだったが、彼女を助けることを選んでくれた彼にミシャオ、懐かしい幼馴染で従兄弟の名前が口を突いて出た。

オンブレール王国ではエマニュエル、シアラ、オリヴィエが顔を揃え、今回そして次回の戦について話し合っている、はずだった。というのは、オリヴィエがエマニュエルの言葉の途中で断りなく退出しようとしたためである。王の威厳とは…?オリヴィエはフィエナのところへ行くと決然と告げた。エマニュエルはオリヴィエへ聖騎士団団長としての重責を説き、脱走は反逆と見なすとこちらも決然と告げる。エマニュエルのターン、『脅し』…!だが効果がない…!オリヴィエは構わない、つまり死罪を言い渡されようと決意は覆らないと伝える。そこでシアラが率直な言葉でエマニュエルを翻訳する。「オリヴィエ、お前はオンブレールに必要だ」と。シアラのターン、『情に訴える』…!だがここでオリヴィエのカウンターが炸裂…!「グランド・クローシュを使えばいいでしょう」と小気味よく言ってのけた。オリヴィエ相手には使える手札も少ないだろうエマニュエルが取り繕わず「ヤケになるな」とお願いする(ように見えるのはボクだけ…?)。エマニュエルのターンに見えて完全にオリヴィエのターンである(ように見えるのはボクだけ…?)。オリヴィエは言葉では同意を返し、その場を後にした。いや冷血王どこ〜〜〜〜〜〜!オリヴィエの振り回しっぷりじゃなくてエマニュエルの振り回されっぷりがひどい…!(褒めてる)オリヴィエが周囲を振り回してしまうのは最強だから、エマニュエルがオリヴィエに振り回されてしまうのはエミーがヴィヴィを大好きだから、そんな風に見えない…?退出後のオリヴィエの「俺にはもうあいつしか無いんだ」というフィエナへ向かう強い言葉をエマニュエルが聞いていたかはわからない。

一方、フィエナはオンブレール地方を目指し、北へ進んでいた。ようやく海が見えるところまで辿りつくと、魔力が回復している。その場で魔石を充填しながらメロディーを待つことにすると、目の前にニルと名乗る死霊術師が現れる。メロディーが故王コルネイユに呪いをかけたことがファントムの契機であること、故王コルネイユのファントムがメロディーを殺すことで解呪されること、しかしメロディーはすでに亡いことが知らされる。ニルはいくつかの死霊術をフィエナへ伝授し、煙のように立ち消えた。その後、行き合った漁師に潮の満ち引きについて教わる。そして今後の身の振り方を決めたフィエナへ聞き慣れた声がかかった。とうとうフィエナを探し当てたオリヴィエだった。ちなみにエマニュエルの制止がまったく響かなかった証明でもある(コントかな…?)。フィエナが魔法を使ったためにその魔力を感知できたらしい。グランド・クローシュの副作用でオンブレール王国では時間の流れが遅いこと、速度は一定ではないこと、弱点となるため隠していることに納得し、オリヴィエはもうオンブレール王国へ戻れないこと、それでもフィエナを助けにきたことを知る。フィエナがこれからやろうとしていることに付き合うとオリヴィエは言い、二人はオリヴィエの魔法の豪華客船で身を寄せ合って休んだ。

第五章ではまず、シフリークの魔法の原動力が潮の力であることが明かされる。また、大量の魔力を必要とする魔法文明は強い潮流が発生する地域でしか発生しないため大陸には広がらなかったこと、セントリアの光の魔法は効力が弱く破壊力がないため魔法文明の発展に繋がらなかったことも語られる。シフリークの魔法が使えないラ・シテへ向かいたいフィエナはしばらく死霊術の修練に専心した。数日が経ち、出発を決心し、オリヴィエに意向の最終確認をした時、フィエナは狼の存在に気づく。いつから…?ねえ、いつから…?いつから見てたのエマニュエル〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!(オリヴィエが執務室を出た時点か、国を出た時点か、はたまたフィエナが死霊術の修練に励む間か…?)エマニュエルはフィエナを連れて今すぐ戻れとオリヴィエへ語りかける。今なら月の魔女の救出を口実に反逆罪の適用を免除するというおまけ付きで。いや優しい…!オリヴィエには聞こえていないようだったが、エマニュエルは声を荒げて無視を咎める。どうやらオリヴィエには聞こえているようである。これが最後の忠告だと突き放すエマニュエルが懇願しているように見えるのは一体どうしたことだろう。オリヴィエはフィエナを背負い疾風のごとく飛んだ(コントかな…?)。

丸一日移動し、ラ・シテの大聖堂の塔の上に舞い降りた時、オリヴィエにもフィエナにもサンピエール枢機卿の居場所がわかるべくもなく、混乱に乗じるため騒ぎを起こすと言うフィエナを宥め、オリヴィエは虚空に話しかけ始めた。「……陛下。エマニュエル様。エミー」(CV興津さん好演がすぎる…!)痺れを切らして思わず怒鳴るように呼びかけたヴィヴィにようやくエミーがぼそりと応えた。「今更返事をしたって遅い」(CV梅原さん好演がすぎる…!)いや仲よしか…!無視されて拗ねてでも結局無視しないエミーと無視して無視したことも無視して平気で話しかけてくるヴィヴィ。最後の忠告と言いつつその後もついてくるエミーと当然と言わんばかりのヴィヴィ。二人の関係性が透けて見えて…!エマニュエルと狼を通じて会話できること、オリヴィエにはその声が聞こえ、フィエナにはその姿も見えることが判明する。ここで、予想される兵力が十万の第二回遠征が計画されていることをフィエナも知り、オリヴィエはサンピエール枢機卿と内密の話をするためその居室を教えてくれないかとエマニュエルに尋ねる。フィエナの個人的理由のためであると知ってもエマニュエルは断らなかった。一度は見捨てたフィエナのためなのか、ヴィヴィに弱いエミーのためなのか、最強の魔法使いに帰国を促したいエマニュエル一世陛下のためなのか、その他なのか、すべてなのか。ボク如きには推し量れない〜〜〜〜〜〜!

狼に案内され、フィエナとオリヴィエはサンピエール枢機卿もといトマスの居室へ辿りつく。狼は姿を消すが、『その痛みに抱擁を』の展開を見るにサンピエール大司教もといフロランを探しに行った…?(エマニュエルはこの時点で何手先まで読んでるんだ…!)問い詰めるフィエナへトマスの口からフロランを養子にしたこと、ミシャオの背後にいたこと、つい最近殺したこと、そしてマートリ村の真実が語られていく。悪魔の城にもっとも近い人里として聖職者間で知られていたこと、マートリ村に派遣される聖職者は出世頭であること、十八年前当時は闇蝕病が猛威を振るう中民衆の不満の矛先として教会が魔女の摘発に力を入れていたこと、神父から司教へ昇進していたトマスがさらに大司教へ昇進する機会だったこと、フィエナの人柄を知っていても魔女だと確信していたこと、そしてマートリ村を摘発したこと。悪いことをしたと思っていること。さらには故王コルネイユの暗殺に関わっていること、だが一存ではないこと。フィエナとオリヴィエはすべてを静かに聞いた。話が終わるとトマスは逃亡し、オリヴィエがフィエナに意向を問う。激昂することのないフィエナが、だがやり残したことがあると二人でトマスを追うことになった。

トマスを追って外へ出る。大聖堂の前を真っ黒に埋め尽くすモルロワ騎士、空には神官、まさに絶体絶命だった。死霊術を使いたいが余裕がない状況にフィエナが焦り始める。そこで常にフィエナに「どうしたい」と尋ねてきたオリヴィエが訴える、「頼って欲しい」と。オリヴィエが時間を稼ぐ中、フィエナが死霊術に集中する。騎士たちを槍で振り払い、体から不可解な大量の魔力を滲ませる。

幸福、悲劇エンドはここから分岐。

悲劇ではフィエナの背を預かるに留まっていたオリヴィエだったが、トマスが再び逃亡しようとしているのを目にした時、その手刀から飛び出した魔力が無数の刃となり、彼を切り裂いてしまった。あまりに簡単なことだった。動揺したフィエナの死霊術が解け、白紙に戻ってしまう。トマスに見せたいものがあったとフィエナに告げられ、今度はオリヴィエが動揺する番だった。もう一度死霊術を試す時間はないとフィエナが言い終える前にオリヴィエが続けるよう強く促す。役に立ちたいと必死に言い募り、フィエナに口付けた。そして最期の願いを託し、その生命力を燃やし尽くす。フィエナは今度こそ死霊術を成功させ、オンブレール王国にいたすべてのファントムをここセントリア教のお膝元、ラ・シテに集結させる。結果は火を見るより明らかだった。四散したファントムたちは次々と人を襲い、ねずみ算式に増え、やがてすべてを喰らい尽くすだろう。オリヴィエの力を失った体が地面に崩れ落ちる。ぴくりとも動かなくなったオリヴィエをその胸に抱くフィエナを、フロランにトマスの所業を知らしめたと思われる狼は、その瞳に映したのだろうか。

その後、セントリア教会本部にいた者は全滅し、街の周辺にいた残党軍や別働隊軍は消滅し、市民のほとんどが巻き込まれ、ラ・シテの大半が壊滅した。セントリア教モルロワ教区は機能を失い、ファントムという新たな脅威に対処する中、第二回遠征は立ち消えとなった。オンブレール王国へ戻ったフィエナは英雄として迎えられる。お膳立ては言わずもがなエマニュエル一世陛下だろう…な…(オリヴィエと一緒に英雄として迎え入れたかっただろう…な…)月の魔女を続けるフィエナへシアラが「陛下は君の功績に報いて、君をこの重責から解放しても構わないと思っている」と伝える。う〜〜〜ん、ボクの希望的観測かもしれないけど、信賞必罰のエマニュエル一世陛下とは別にヴィヴィの強い想いを見て取ったエミーがその相手のフィエナの穏やかな幸せを密かに願っている部分もある…?

フィエナは夜毎死霊術でオリヴィエと交信する。う〜〜〜ん、これまたボクの希望的観測かもしれないけど、衰弱が顔に現れるまでになったフィエナを狼が監視していることはない…?フィエナというよりヴィヴィのために。政務で多忙を極める国王陛下だから言い切ることはできないけど、エミーの優しさを鑑みるにそんな気がしてしまう。コミュ下手だからフォローはないんだけど…!

悲劇、ニルエンドはここから分岐。

悲劇ではフィエナはオリヴィエとの対話を続け、やがて亡くなったと思われる。エマニュエルは死霊のオリヴィエが交信中フィエナへ宛てたメッセージたちを後々目にしたのだろうか。結局どちらの英雄も失うことになった結果にもの悲しい思いをしたのだろうか。ファントムは国外、第二回遠征は忌避、略奪より状況ははるかにましと言えるにもかかわらず、エマニュエルにとっても悲劇仕様にやはり脱帽…!エマニュエル自身、言ってしまえば、国王として成長過程にあるんだよね。十年後、二十年後、三十年後のエマニュエル一世陛下も見てみたいな〜〜〜!失うものも得るものもある中でほんの少しでもエミーも報われてたらいいのになって思うよ…!

ニルではフィエナはオリヴィエへ別れを告げる。ちょうどその時ニルが再び目の前に現れ、ニルの正体、ファントムの正体、月の魔女の正体など散歩がてらお喋りすることになる。そしてやがてフィエナはニルに師事すること、死霊術を文献として残すことを決める。エマニュエルは登場せず物語は幕を閉じるが、フィエナが再び生き始めたことをエマニュエルとして、この先フィエナが綴る死霊術に関する文献が貴重なものとなるだろうことをエマニュエル一世陛下として、きっと好ましく思うことだろう。月の魔女を続けるフィエナは変わらず役割を全うすることになるが、以前のように酷薄にただ利用するだけではなくなったと思いたい。エマニュエル一世陛下の治めるオンブレール王国に幸いあれ…!(ほぼハッピーエンドなのにオリヴィエだけがいなくてエマニュエルの胸には大きな穴がぽっかり空いてるんだろうなと思うと涙腺が緩んでしまう〜〜〜!

幸福ではフィエナの死霊術が中断されることなく、ファントムを呼び出し、制御することに成功する。襲い来るファントム。魔王を従え、災厄を撒き散らしながら悠然と闊歩する魔女。モルロワ騎士目線では恐れおののかざるを得ない図である。そこで戦線離脱を図るトマスに真っ黒い哀れな魂のため真摯かつユーモラスな救いを求め、その後死力を尽くし切ったオリヴィエが呼吸はしているものの倒れ込む。向かい来る者のいなくなった広場から立ち去ろうとした時、サンピエール大司教もといフロランが駆けつける。エマニュエルの機転によりマートリ村の真実を知ったフロランがトマスを成敗し、エマニュエルに促されフィエナとオリヴィエは国境までフロランに警護されオンブレール王国へ帰国の途を辿ることとなった。なんということでしょう…!(流れるような展開…!)数多ある情報の中で駒を動かし、また増える情報の中で状況を動かす。エマニュエル一世陛下の手腕が存分に発揮されておる…!フィエナとフロランの関係、トマスとの因縁への理解が地頭のよさ以上に早いことから、フィエナが火刑に処されようとする場面も見てたんだろうな…!(エマニュエル一世陛下と狼人間の能力の相性、最強すぎんか…!)その後家族の復讐という理由をなくしたフロラン・サンピエール大司教は第二回遠征からの離脱を表明し、オンブレール王国ではエマニュエル一世陛下とグラン・ソルシエであるシアラが油断なく、だが頬を緩ませた。帰国の途では、狼を通してオリヴィエの容態がフィエナの口からシアラ、イスマイールに伝えられる。

オンブレール王国に帰還したフィエナとオリヴィエはエマニュエルの筋書きにより英雄の凱旋かのような市民の歓迎を受ける。二人とも罪に問われることなく、元の地位に収まる。フィエナが「エマニュエル様って、優しいよね……?」と尋ねると「あいつは優しいよ。コルネイユ様に似てな」とオリヴィエは答えた。一方、シャルディ城では「グラン・ソルシエをオリヴィエに戻すべきだと言う意見も目立ちますね」と述べるシアラに「今更君を解任するつもりはない」とエマニュエルが答えた。その後、慌ただしい日々が続くもフィエナはシャルディ城の元の私室に戻っており、フィエナもオリヴィエも英雄として相当額の報奨金を受け取っている。

ちなみにエピローグではエマニュエルはフィエナを月の魔女という鎖から解き放つことを決める。フィエナのため、そしてフィエナが精神安定剤のようなものになっているオリヴィエのためだが、エマニュエル一世陛下は「国益にもかなう」と言った。「喜びますね、きっと」とはシアラの言葉だ。(シアラがエミーをめちゃくちゃ代弁してくれるよね…!)すべてのファントムは国外、第二回遠征は忌避、ヌーベレールは弱体化、そしてフィエナは月の魔女の役割を降り、フィエナとまだ一緒に暮らしてはいないもののオリヴィエは憑き物が落ちたように自然に笑う。『彼はもう大丈夫』、フィエナと同じく暖かい風をきっとエミーも感じ取っているだろう。

 

振り返り終えて

 

長かった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!見切り発車すぎた…!もう終わらないかと…!それでは、できるだけサクサク書いていくゥ!

救世編ではエマニュエル一世陛下、追憶編では冷血王、希求編ではエミーが見えたように思うんだけど、どうだろう…?王としてもそうでなくてもエマニュエルは公平な人物だと思ってたんだけど、いやけっこうわかりやすくオリヴィエのこと大好きだな…?えこひいきはないし、公平な人物で間違ってないとは思うんだけど、揺らがぬ事実としてオリヴィエがエマニュエルの身内…!イスマイールもエマニュエルの身内だけどオリヴィエが抜きん出てるよね…?ここで光明編の回想シーンを思い出す。暗い部屋からエミーを連れ出したのはヴィヴィなんだよね…?エミーに広く美しい世界を見せたのはヴィヴィなんじゃないの…?そんな風に妄想するとエマニュエルにとってオリヴィエがどれだけ特別か思いやられて胸につまされる…!(エマニュエルの親愛表現って広く美しい世界という彼の夢の共有なんじゃないかと思うんだけど、その夢、少なくともきっかけをオリヴィエが図らずも与えたんじゃないかな…?コルネイユ様がオリヴィエの恩人だったようにヴィヴィがエミーの恩人だったんじゃないかな…?)希求編をプレイした後は光明編を再プレイしたくなる。こんな、こんな唯一無二の希望みたいな幼い頃からの言わないけど大親友をその手にかけざるを得なくて、でもつらそうではあるけどそんな内面を深く描写さえされなくて、エマニュエル…!どんだけ孤独なのさ、もう…!(勝手に大号泣)希求編は(実際には『も』なんだけど)とてもいい。エマニュエルがなんなら光明編以上に幸福に見える。エマニュエルの手腕、実力は凄まじく素晴らしいものではあるけど、オリヴィエの幸福を自身の幸福以上に幸福に感じる彼であることがエマニュエルの最大の魅力なんじゃないのかな。(もちろん好みの問題だけどね…!有能っぷりやっぱりかっこいいし…!)

余談だけど、エマニュエルの諜報活動、裏工作、表立った政治といった手際があまりによすぎるのでエマニュエルの全行動の記録みたいなものがあれば見てみたい。狼の数、活動可能範囲、対立勢力図などなど、物語の本筋ではないけどエマニュエルの頭の中をちょっとだけ覗いてみたいな…!粛清されちゃうかな…!

長々とここまでお付き合いいただいた方には本当に頭が上がりません。どうもありがとうございます…!余力がないので戯れ言として聞き流していただいて構わないのですが、各ルートのサンピエール大司教を追いかけたり、メロディーのランキング付き悪態語録を作ったり、イスマイールの表情集を作ったり、ゲームタイトルの『亡霊』が意味するものを考えたりできたらいい人生だった…!南〜〜〜〜〜〜無〜〜〜〜〜〜!

 

希求編(オリヴィエ√)関連記事
 
 

 

ボク用メモ

 

エマニュエル関連シーンの抜粋です。本文のためのボク用メモになります。特に見る必要はありません。

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希求編(オリヴィエ√)

第一章 マートリ村

オリヴィエ、フィエナ
『エマニュエル様に恨みがある?』(選択肢)
「ないよ。あいつは正しい判断をしたと思う」

オリヴィエ、フィエナ
「それにしても、貴方が解任のことを全然気にしてなかったのは意外だわ」
「俺がそんな度量の小さい男に見える?」
「そうじゃないわ……。ファントムの一件で責任を取らされたと言っても、貴方に直接責任があるわけじゃ無いでしょう?」
「私から見てもあの解任は唐突すぎて変な感じがしたの。エマニュエル様はいくら何でも酷いというか短絡的というか……」
「あっ……ごめんなさい。言い過ぎたわ。あの方にもそれなりの考えがあったのかも知れないしね」
「一国の王としては本当に正しいと思ってるよ」
・・・
彼がこれほど平然としているからには、あの解任劇の裏には私の知らない事情があったのかも知れない。

オリヴィエ、フィエナ
「教会の奴は、異教徒を魔女とか悪魔の使いとか呼んで断罪してるけど、他にも適当な特徴でっち上げて魔女狩りすることがあるんだよ」
・・・
「貴方が私を月の魔女に仕立て上げたみたいに?」

オリヴィエ、フィエナ「話が早くて助かる。お互い助け合おうじゃないか、共犯者」
そこには、見慣れた彼の胡散臭い笑顔があった。

リヤド、エルロイ、マリー、メロディー、フィエナ
「今朝の団長の演説、何か理由があるのか?エルロイ、何か知ってるか?」
「いえ、何も……。でも、正面衝突が現実的にあり得ると言っているように聞こえましたね」
「王室が何かセントリアの動きに関する情報を掴んでるなら、聖騎士団の団長も同じ情報を持ってるんじゃないのか?」

オリヴィエ、フィエナ
「ああ。その情報は王室から来てる」
「つまり、セントリアによる侵攻が起きるかもしれないと?」

オリヴィエ、フィエナ
「何か用?どうしてコソコソあとを尾けるような真似を?」
・・・
「呆れた。はたから見たら貴方の方が余程物騒に見えるわ」
「とにかく、城まで送って行くよ」
「ええ、丁度良かった。貴方に聞きたいことが沢山あったんだけど、忙しくて中々行けなかったから」

オリヴィエ、フィエナ
「今からちょっとマートリ村へ行って来る。バレないうちに戻るよ」
城の門前へ来ると、彼はいつもの軽い調子でそう告げた。

エマニュエル、フィエナ
自室へ戻ろうとすると、何故かエマニュエルが立っていた。それも、仁王立ちでこちらを睨んでいる。
「こんばんは、陛下」
そのまま通り過ぎようとしたが、案の定呼び止められてしまった。
「聞きたいことがある。部屋へ来い」
こんな夜更けに呼び出されるなど、嫌な予感しかしない。

エマニュエル、シアラ、フィエナ
「月の魔女、フィエナ」
「君は前グラン・ソルシエ、オリヴィエ・パケに指名され、前国王コルネイユ三世により月の魔女と公認された」
「そして君はこれまでルミニスの言葉を聞き、度々神託を授けてきた」
・・・
「しかしながら、君がこれまで授けてきた『神託』は、いずれも情報さえ手に入れば予測可能なものばかり。そこで、疑念が生じる」
「それは君が誠に夢で賜ったものか、それとも神ではない『誰か』が君に授けているのか――と」
「君に神託を授けたのはいったい誰だ?」
「ルミニスが私に授けました」
「では、君は誠に月の魔女であると主張するのだな?」
「はい」
「ならば君には責任を取ってもらわねばなるまい。君の役目は、民に安寧をもたらすことだ」
「だが君が来て以来、我が国は王の崩御、そしてファントムの出現と、立て続けに災厄に見舞われている。そして、未だ君は我々を解決へ導いていない」
エマニュエルが目で合図すると、従者が盃を運んで来て、私の目の前に置いた。
「……?」
「毒杯だ。仰げ。名誉の自決を許す」
「そんな……!あんまりです!」
・・・
「死者が二十人以上に達している今、悠長なことを言える状況ではない。後始末は余がつける。君の尊い血を以て、民を安寧へと導こう」
「……」
「覚悟が定まらないのなら、余がこの手で飲ませてやろう。どちらにせよ、死罪ではなく名誉の殉教として扱う。安心しろ」
私の正体がどうであれ、彼だって月の魔女という貴重な手札を失いたくはないはず。本気で命を取りはしないとタカを括っていたが、今のところ彼の目には少しの妥協も見えない。
「ただし……」
「月の魔女などではないただの傀儡ならば、君の殉教に意味はない」
「君を陰で操り、傀儡にしていた者がいるのならばその者の名を言え。そうすれば、この場で死ぬ必要はない」
なるほど、彼は私にオリヴィエの名を言わせようとしているのだと悟る。オリヴィエを弾劾するだけでは足りず、理由を付けて処罰したいようだ。背景にあるのは、ルミニスのブローチの一件だろうか。
「分かりました」
私は盃を手に取った。
「コルネイユ様とオリヴィエのおかげで、私は少しの間生き永らえました。私の血がこの国の繁栄に繋がるならば、今こそその恩を返しましょう」
「陛下……!」
シアラが焦った顔で、小声でエマニュエルに制止を訴える。だが彼は顔色を変えず、私が盃を飲み干すのを見守っていた。

『一気に飲み干す』(選択肢)
「ん……!」
・・・
倒れる私の体を、エマニュエルが受け止めた。意識が遠のいていく。
(楽に死ねる毒……慈悲をくれたのね。ありがとう)
真っ暗な意識の中、背後から誰かが部屋に入って来る足音が聞こえた。
名誉の自決

『深呼吸して飲み干す』(選択肢)
(でも、オリヴィエを処罰するためだけならどうして私を巻き添えに?)
(そうか。月の魔女がオリヴィエの陣営に付くことを恐れてるのね。私が敵対する派閥に行くくらいなら、殉教してもらった方がいいと)
・・・
「困りますオリヴィエ様!王の政務の場ですぞ!勝手に入られては……!」
・・・
「これは俺に関わる話なんだよ」
扉が開いてオリヴィエが歩み出たと同時に、私が持っていた盃が前触れなく砕け、中の液体とともに床に散った。
「国王陛下、その話わたくしにも聞かせて頂けませんか?」
・・・
「お前を呼んだ覚えはないぞ」
「何度もわたくしをお呼びになったではありませんか」
「何度も召喚を無視し、都合が悪くなると出て来るとは虫が良い」
「これまでのことは謝罪します。ですが、フィエナを月の魔女と認定したのはわたくしです」
「職を解かれたとはいえ、在任中のわたくしの発言は未だに有効のはず。月の魔女の神聖性に疑問があるのなら、わたくしに尋ねるのが道理では」
「お前が毎回現れないからだろう。……まあいい、今議論していたのは、神託を授けたのが神か否かだ」
「神性が誠ならば、彼女に昨今の騒乱の責を問う。授けたのが神ではない第三者ならば、その者の罪を追求する。如何と答える?オリヴィエ」
「彼女は月の魔女ではありません。わたくしが手引きし偽称させました」
・・・
「ならばお前は、国家の儀において全臣民を欺いたことになる。何故そのようなことをした?返答によっては反逆罪で死刑だ」
「我が国のためでございます、陛下。セントリアの脅威が日に日に増し、有力な臣下は派閥を作り出し、民の心が離れかねないと感じていたのはわたくしも先王も同じでした」
「そうなる前に月の魔女を用意することにしたのです。臣民の心を一つにするために」
「我が国が月の魔女を抱える利点は、他にもあります」
・・・
「陛下、よろしいでしょうか」
シアラがエマニュエルに何やら耳打ちした。エマニュエルは頷き、再びオリヴィエに視線を向けた。
「譲歩案がある。ルミニスのブローチを今この場でシアラに継承するのだ」
「そうすれば、お前、及びフィエナを罪には問わない」
「聖職者の虚偽については本来マクタで裁くべきだが、ここにいる現グラン・ソルシエはそれでいいと言っている」
「死罪でもおかしくないところを不問にすると言っているのだ。お前にとってこれ以上の条件は無いと思うが」
「承諾します。陛下の寛大な慈悲に感謝を」
・・・
オリヴィエは自分の額に指を添え、魔力を込める。そうして額から引き出したブローチをシアラの額に当て、呪文を唱えた。
・・・
「君の身分は今後も維持する。今後は余の元で月の魔女として動いてもらう。神託はシアラが授ける。いいな?」
「はい」

オリヴィエ、フィエナ
「行ったよ。で戻って来た。そしたら城にいる俺の仲間が、通信であんたが王に呼び出されたって教えてくれて、嫌な予感がして追いかけたんだ」
「おかげで命拾いしたわ。あの人は、本当に私が死んでも構わないと思っていたでしょうから」
「成り行きは大体聞いたけどさ、なんで俺の名前出さなかったの?あいつに忠実にしてれば、命までは取らなかったと思うよ」
「エマニュエルだって月の魔女は手中に置いておきたいはずだから」
・・・
「貴方は私を月の魔女に仕立て上げた時、私を犠牲にすることも視野に入れてた。そうなんでしょう?」
・・・
「オリヴィエ、ルミニスのブローチはあれで良かったの?渡したくない理由があったのよね?」
「いいんだ。他に欲しいものを見つけたから」

第二章 似た者同士

オリヴィエ、フィエナ
「神託、出たな」
「ええ」
「エマニュエルが出させた神託だ。それだけ情報は確実なんだろう。いよいよ始まるぞ」

第三章 月の魔女出陣す

そしてとうとう、決戦の時が訪れた。

エマニュエル
「モルロワ王国騎士団が総力を上げて進軍を始めた。騎士の数は二万。発起人はセントリア教のモルロワ教区。目的は、このオンブレール王国の滅亡だ」
・・・
「この進軍はモルロワの政治的理由に起因するものであり、我らに一切非は無い。しかし、平穏を脅かす者がいるならば、立ち向かわねばならない」
「我らはこれよりグランド・クローシュの外へ出て、侵略者を迎え撃つ!」
「敵の二万という数に怯む必要はない。何故なら我らは、ルミニスの加護によって守られているからだ。ここにいる勇敢な戦士達が、必ずや敵を討ち滅ぼす!」
・・・
「これは危機ではない、好機だ!我らの偉大な力を目の当たりにすれば、二度と侵略などという愚行は起こさないだろう!」
・・・
エマニュエルの演説が終わると、衆人から歓声が上がった。貴族達の不安に満ちた表情は今や自信に満ち、騎士達からは士気の昂りが見てとれた。

モルロワ騎士
「大司教!ここでしたか!エマニュエル王が出陣しています!中央の戦場です!すぐに来てください」

本当は今頃夜営地を周り、月の魔女として騎士達を労いに行くのが正しい行動だと分かっている。しかし、今の私にそんな資格はない。

エマニュエル、オリヴィエ
「ここは十分掃討した。オリヴィエ、お前は北側へ回れ。北部の海側から侵入を試みている者がいる」
「海から?」
「ああ、少数の別働隊だ。万が一にも侵入を許すわけにはいかない」
「御意に」

エマニュエル、シアラ、イスマイール
「!……敵が全軍に撤退命令を出した」
「追撃はお任せを」
「情報が早いな。さすが陛下だ」
「聖騎士団、私に続け!勝利は目前だが、最後まで気を抜くな!家に帰るまでが戦争だ!」

第四章 赤毛の魔女

エマニュエル、シアラ、オリヴィエ
「フィエナが敵の捕虜となったとは……。誠に残念です」
「そうだな。だが幸い、この一件は他の騎士達には気付かれていない。よって、彼女は負傷で隔離入院していることにして、イスマイールと口裏を会わせた」
「どうか、情報はここにいる我々だけに留めて欲しい」
「陛下、奪還の命令を」
「いや、そこに人手を割く余裕は無い」
「我が国の財産である月の魔女が捕虜になったと言うのに、奪還しに行かないと?」
「お前も分かっているだろうが、敵が彼女を殺さずに連れて行った目的は、大衆にこの遠征の成果を見せ付けるためだ。したがって、あちらの時間で二、三日以内に公開処刑が行われるだろう」
「救出に行っても遅い。今は、セントリアの第二回遠征を警戒する方が優先だ」
「その通りです。次の遠征は、モルロワ騎士だけでなく周辺国の余剰騎士も加わって、より大規模になる可能性があります。戦力を無駄に消耗すべきではありません」
「ですが、彼女の不在をいつまで隠しておくおつもりで?永遠には隠し通せませんよ」
「第二回遠征を退けてからだ。今公表しては、騎士の士気に関わる」
「陛下……何故このことをすぐにわたくしに言わなかったのですか?もしかすると、彼女の拉致は貴方が仕組んだのではありませんか?モルロワ軍の撤退を促すために、意図的に引き渡したのでは?」
「口を慎め!陛下に対してあまりに無礼だぞ」
「冷静になれ、オリヴィエ。戦争の最中に月の魔女を引き渡せば、騎士の士気を下げる結果になる。利点が無い。余がそんな真似をすると思うか」
「失礼……しました」
「彼女のことは残念だった。余からも哀悼の意を表する」

《略奪分岐》

エマニュエル、シアラ、オリヴィエ

「今回の遠征で彼らは魔法文明に触れ、我々から奪った多くの魔導具を持ち帰る事ができました。オンブレールを滅ぼすという目的が失敗に終わっても、十分な副次効果が得られたことでしょう」
「今の時間差だと、彼らは我々の約十倍長い時間をかけて準備する事ができます。猶予はありません」
「そうだな。傷を癒やし、万全の体制で準備に臨もう。軍の再編成についてだが――オリヴィエ、どこへ行く」
「フィエナのところへ行きます」
「お前には騎士団長としての重責がある。脱走は反逆と見做すぞ」
「構いません」
「オリヴィエ、お前はオンブレールに必要だ。お前がいなくなれば戦力の均衡が崩れ、我が国が危機に陥ってしまうんだ」
「その時はグランド・クローシュを使えばいいでしょう」
「ヤケになるな。今のお前は、玩具を取り上げられた子供のように彼女に執着している。冷静に自分を見つめろ」
「ああ……そうですね」

 

お付き合いありがとうございました!